キャンプ=合宿
この時期のスポーツニュースのほとんどを占めるのがプロ野球のキャンプ情報。普段はスタジオにいるアナウンサーも、このときばかりはキャンプ地に赴くのがお決まりになっていますね。『キャンプ』って私たち水泳選手で言うところの『合宿』だと思うのですが、プロスポーツにおいてはトレーニング期間というだけでなく『興行』的な意味合いも強いのでしょう。特に新人選手や注目選手は、休みの日まで報道陣の取材による「OFFの様子」のロケ仕事状態。本当にお疲れ様です(苦笑)。
私も過去にた〜〜〜〜くさんの合宿を経験してきましたが、私たちの時代(こういう言い方って古臭っ!でも年取ったからしょうがないよね)の冬合宿における「定番の地」と言えば…静岡・修善寺のプール。真冬の屋外はもちろんのこと、室内のプールサイドも異常に寒くて環境もまさに山篭り状態。身体のトレーニングと共に精神修行(!)もできるという場所でした。それから、富山のプール。空港の真ん前にあって、飛行機で東京や大阪を経由して行くときには便利な場所。しかも同じ建物の中に体育館と宿泊施設もあるので、移動に時間を取られることがありませんでした。富山は冬以外でも何度も行って思い出が多い地ですが、最も鮮明な思い出はトレーニング終了後に水着のまま荷物を持って、プールの更衣室から通路を挟んだ向かいにあるお風呂へ行っていたこと。練習から開放された後の些細ですが本当に幸せなひとときでした♪
合宿中の生活は、基本的に「泳ぐ・寝る・食べる」だけ♪きっとこれはいつの時代の選手たちも変わらないのでは?朝起きて、ご飯を食べて、練習して、ご飯を食べて、昼寝をして、練習して、ご飯を食べて、寝る。まあ私の場合は、特に不器用だったので合宿の間はもうどっぷりと水泳だけの日々でした。まさに前述どおりの生活リズムでしたが、中にはお昼寝をすると調子が狂うという選手もいましたし、その時間を利用して趣味や勉強に費やすといった選手もいました。競泳は個人競技なので、合宿という集団生活で協調性を育むとともに集団の中にいても自分の生活リズムを作り、それを守ることができる「自分」を強くすることも競技力の向上には重要な要素ですね。
師弟関係
先日、ジュニア世代のスポーツに関わっている知り合いから相談を受けました。それは「選手たちにもっと自分で考えて練習に取り組んでもらうにはどうすれば良いのだろうか」というものでした。より話を聞いていくと、具体的な目標は「自分で練習内容を考えるようになって欲しい」とのこと。その相談に対する私の答えはいたってシンプル、「それは無理でしょ!」。
何事もやる気があれば自分でできるというわけではありません。私は『自分の経験+想像力』が個人の行動を決めると考えています。しかし、ジュニアには経験・想像力という要素の両方が大人に比べると絶対的に足りない。だから「コーチの存在」が必要なんです。小中(高)のジュニアと呼ばれる時期は、知識や情報、いろいろな考え方などに触れるべきだと思います。周りでサポートする大人たちが知恵を振り絞って、様々なパターンのトレーニング方法を提示してあげること。身近な先人たちの成功談や失敗談だけでなくそこに至る過程の話まで、それらの蓄積が選手としての器や人間としての幅を広げるはずです。私の場合、合宿や大会などを通じて何人ものコーチの話を聞きながら様々なトレーニングを受けてきましたが、それぞれのコーチによって違う練習方法や泳ぎの解釈があり、それらを体験することで自分自身の考え方の幅が広がり、泳ぐことに対する工夫や意欲へと変わっていきました。そして「こうやってみたい」「こうするとどうなるんだろう」そんな考え方ができるようになって初めて、自主的な練習に取り組むモチベーションが沸き起こり、大学生になるころにようやく与えられた練習の中にも自分なりのテーマを作り出したり、居残り練習をやってみたりという積極性が生まれたような気がします。
私はどちらかといえば一匹狼タイプで、社交性にも欠けていたのでそんな風に自主性や積極性に気付くのは遅いほうだったと思います。でも、遅くてもそれに気付くことができたのは知識や技術やいろんなものを与えてくれた周囲の人たちのおかげだったと今さらながらに感謝しています。そういう意味で、当時の私にとってプラスになるものを与えてくれた大人たちはみんなが私の「師」であったんだな、と思います。そしてこれからは私がジュニア選手にとってそんな存在になりたいなぁなんて思っているわけですが、私にたくさんのものを与えてくださった方々にはまだまだ敵わないところだらけ・・・私も頑張らなきゃ!!
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